目隠し、はずして
「ありがとう、ございます……」

涙目になりながらお礼を言うと、大和くんはふわりと笑って、「いい子」とまたわたしの足の裏を撫でた。

酷く虐げられているはずなのに、わたしの身体はなぜか熱くなってきている。

「千春、今からもうちょっと頑張れたら今日はもう許してやるよ。

これ、つけるぞ」

大和くんの手には黒いリボン。

「どこにつけるの……?」

おそるおそる尋ねると、大和くんはわたしの背後に回り、「こうやって使う」とリボンをわたしの視界を奪うように巻きつけた。
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