エリート外科医との政略結婚は、離婚予定につき~この愛に溺れるわけにはいきません~
そしてたとえ強引に勧められたとはいえ、断る気になれば断れたはずの見合いを結局受け入れた自分の本音にたどり着く。
見合いに臨むと決めたのは、相手が宗崎だったからだ。
もう一度会いたいという本音が顔を出し、見合いを受け入れた。
宗崎にもう一度会いたい。
珠希は手の中の名刺を見つめながら、その想いに頬を赤らめた。
「それにしても……」
珠希は名刺をテーブルの上に置き、眉を寄せる。
パソコンで検索を続けているのだが、欲しい情報が手に入らない。
マウスを持つ手を止め、珠希は肩を落とす。
ここ十分ほど和合製薬のHPに掲載されている決算情報を見返しているのだが、そこに新しい情報は更新されていなかった。
当然だが九月期の決算数字があるだけで、それ以降の数字はまだ公開されていない。
三月期の決算数字は来年五月に発表されるはずで、それまでHPから和合製薬の正確な経営状況を知ることはできない。
父や拓真に尋ねてみようかと一瞬考えたが、理由が理由だけにそれはやめておこうと思い直す。
和合製薬の経営状況を知れば、珠希に執拗に宗崎との見合いを勧める理由の手がかりがつかめるかもしれないと考えたのだが、やはり無理なようだ。
現在公表されている九月期の数字に不安要素は見当たらないが、実は九月以降で悪化しているのではないかと思い、該当する数字を探してみた。
けれどやはり新しい数字は見当たらなかった。
このところ株価は安定していてネットニュースで悪い情報が流れた記憶もない。
テレビをつければ市販薬のCMがいくつも流れている。
やはり考えすぎなのだろうかと思う一方で、特定の相手とのバランスを欠いた仕事のやり方や癒着が嫌いな父が、宗崎病院との関係強化を目的に珠希に見合いを勧めている。
その事実を考えると、やはり和合製薬の経営状況は芳しくないのだと想像できる。
すでに経営は傾いているのかもしれない。
見合いに臨むと決めたのは、相手が宗崎だったからだ。
もう一度会いたいという本音が顔を出し、見合いを受け入れた。
宗崎にもう一度会いたい。
珠希は手の中の名刺を見つめながら、その想いに頬を赤らめた。
「それにしても……」
珠希は名刺をテーブルの上に置き、眉を寄せる。
パソコンで検索を続けているのだが、欲しい情報が手に入らない。
マウスを持つ手を止め、珠希は肩を落とす。
ここ十分ほど和合製薬のHPに掲載されている決算情報を見返しているのだが、そこに新しい情報は更新されていなかった。
当然だが九月期の決算数字があるだけで、それ以降の数字はまだ公開されていない。
三月期の決算数字は来年五月に発表されるはずで、それまでHPから和合製薬の正確な経営状況を知ることはできない。
父や拓真に尋ねてみようかと一瞬考えたが、理由が理由だけにそれはやめておこうと思い直す。
和合製薬の経営状況を知れば、珠希に執拗に宗崎との見合いを勧める理由の手がかりがつかめるかもしれないと考えたのだが、やはり無理なようだ。
現在公表されている九月期の数字に不安要素は見当たらないが、実は九月以降で悪化しているのではないかと思い、該当する数字を探してみた。
けれどやはり新しい数字は見当たらなかった。
このところ株価は安定していてネットニュースで悪い情報が流れた記憶もない。
テレビをつければ市販薬のCMがいくつも流れている。
やはり考えすぎなのだろうかと思う一方で、特定の相手とのバランスを欠いた仕事のやり方や癒着が嫌いな父が、宗崎病院との関係強化を目的に珠希に見合いを勧めている。
その事実を考えると、やはり和合製薬の経営状況は芳しくないのだと想像できる。
すでに経営は傾いているのかもしれない。