断片集

「そもそも面白いってなにが? ぼくがそんなに変ってことなの?」つい口を出た言葉。ただ不安だっただけなんだ。劣等感だ。よくあるね、って言われたかったけど、それが無くて、ひとりぼっちで。その子は少し眉を寄せてこちらを睨む。
いきなり何言ってるのって感じが伝わってくる。
「嫌そうな顔をして、もしかして、迷惑になったの? 今更、酷いよ」

そうじゃないんだ。そうじゃないんだ。
そうじゃなかったのに。上手く言えない。きっと、ぼくはまた酷いことを言いそうだ。
そうじゃないのになんでだろう。
ぼくがこんなにコミュニケーションがダメで、変わり者だから、報いみたいに自分の中の悪夢のようなものを見ているのだろうか? 周囲にじわじわ責められているのだろうか。 
だったら、それは責められないししかたが無いよね。けれど、世界中が、真っ黒になってしまったみたいで、なんだか、寂しいな。前よりも、ずっと孤独だ。
「そんな人、どうせほとんど居ないでしょ?」
「…………っ!」
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