断片集
無理して関わろう、みたいな顔で、来られても、どちらも傷付くよ。
どうせこいつもそうだろう、と誰もが思った。
弱いものはいらない。早く出て行け。
そんな空気が立ち込めていて、あーあ、つまんねーの、と×××が、早くも呆れている。
お馴染みの光景に飽きて、さっさと出て行く子も出始めたけど、ぼくとあいつは、一緒に、××ちゃんの言葉を待った。
此処に来たときからそう。期待していた。
××ちゃんだけはゴミを見るような、怪物を見るような目を、しなかったんだ。
戸惑った××ちゃんは、しばらく考えて、そして、困った顔で、ぼくらに、問いかけた。
「普通って……俺は、結構、子どもに優しくないし、その、言わなくていいことを言うかもしれない。逆に、気を遣わせるかもしれない」
かなり、戸惑って、かなり考えてくれたのだろう、その言葉は。
ぼくたちには何より、信用に足るものだった。
「それでいいか?」
唯一の合格者。
唯一の、××ちゃん。