冷徹社長は幼馴染の私にだけ甘い
(お弁当……)
凛子はそっと一つだけお弁当を取り出した。優に渡すための自分のお弁当箱より一回り大きいもの。ランチクロスを解き、蓋を開けた。
「ぐちゃぐちゃだ。こんなのあげられるわけないよ」
ミニトマトは最初の場所とは全く反対方向に飛んでいるし、たこさんウインナーにした黒胡麻の目もどこかにいってしまい顔なしのたこさんウインナーになっている。
凛子は大きくため息をつき、タオルで顔を拭った。