冷酷・楠木副社長は妻にだけは敵わない
年明けと夫婦の一年開始
20XX年・大晦日の夜━━━━━━
結婚して初めての大晦日だ。
「朱李くん」
「ん?」
「もうすぐだね!
もうすぐで年が明ける」
「うん。あと…5分?だな?」
ソファに並んで座り、千鶴は朱李の肩に頭を預けている。
朱李は、ゆっくり千鶴の頭を撫でていた。
「………」
「……ちづちゃん?」
急に千鶴が黙ってしまった為、顔を覗くと………
「は?寝たし…」
そして年が明けた。
「ちづちゃん、明けましておめでとう。
…………“また”寝てる間に明けたね(笑)」
去年の大晦日は、婚約者同士だった二人。
去年は朱李のマンションに泊まり、年明け寸前に眠ってしまったのだ。
朱李は、千鶴を抱き上げベッドに連れていく。
優しく寝かせると、ベッド脇に腰掛け頭を撫でた。
「可愛い…」
頭を撫でていた手を、頬に移動させる。
そして、千鶴の柔らかい口唇をなぞった。
キスしたい━━━━━
そう思った時にはもう……
口唇を重ねていた。
夜が明けて、朱李が目を覚ます。
自分の腕の中で、千鶴が眠っていて思わず微笑んだ。
「可愛すぎだろ……これ…」
千鶴の瞼が、少し動いた。
そしてゆっくり千鶴が目を開けた。
「ん…」
「ちづちゃん、おはよ」
「んー、朱李く…おはよ…」
朱李に抱きつく、千鶴。
「フフ…」
嬉しそうに頭を撫でる、朱李。
「………あれ?」
「ん?ちづちゃん?」
「あーーー!!」
「え?どうした?ちづちゃん?」
「私、また寝ちゃった…の…?」
「あー、うん。後三分くらいだったんだけど」
「嘘ー!!
起こしてよー!!」
「フフ…だって、ちづちゃんの寝顔可愛すぎ!
それに、起こすの可哀想だったしな」
「うー、去年も寝ちゃったんだよ?
今年は夫婦として初めての年明けだし、今年こそは!って思ってたのに……」
「フフ…」
肩を落とす千鶴の頭を撫でる、朱李。
「朱李くん」
千鶴は気持ち良さそうに微笑み、ゆっくり起き上がった。
「ん?」
朱李も、ゆっくり起き上がる。
「明けましておめでとう!
こんな頼りなくて、ドジで、弱い私だけど……
これからも、よろしくお願いします!」
そう言って、頭を下げた。
「こちらこそ、よろしくなっ!」
朱李も頭を下げる。
「フフ…」
「フッ!!」
二人は、微笑み合ったのだった。
結婚して初めての大晦日だ。
「朱李くん」
「ん?」
「もうすぐだね!
もうすぐで年が明ける」
「うん。あと…5分?だな?」
ソファに並んで座り、千鶴は朱李の肩に頭を預けている。
朱李は、ゆっくり千鶴の頭を撫でていた。
「………」
「……ちづちゃん?」
急に千鶴が黙ってしまった為、顔を覗くと………
「は?寝たし…」
そして年が明けた。
「ちづちゃん、明けましておめでとう。
…………“また”寝てる間に明けたね(笑)」
去年の大晦日は、婚約者同士だった二人。
去年は朱李のマンションに泊まり、年明け寸前に眠ってしまったのだ。
朱李は、千鶴を抱き上げベッドに連れていく。
優しく寝かせると、ベッド脇に腰掛け頭を撫でた。
「可愛い…」
頭を撫でていた手を、頬に移動させる。
そして、千鶴の柔らかい口唇をなぞった。
キスしたい━━━━━
そう思った時にはもう……
口唇を重ねていた。
夜が明けて、朱李が目を覚ます。
自分の腕の中で、千鶴が眠っていて思わず微笑んだ。
「可愛すぎだろ……これ…」
千鶴の瞼が、少し動いた。
そしてゆっくり千鶴が目を開けた。
「ん…」
「ちづちゃん、おはよ」
「んー、朱李く…おはよ…」
朱李に抱きつく、千鶴。
「フフ…」
嬉しそうに頭を撫でる、朱李。
「………あれ?」
「ん?ちづちゃん?」
「あーーー!!」
「え?どうした?ちづちゃん?」
「私、また寝ちゃった…の…?」
「あー、うん。後三分くらいだったんだけど」
「嘘ー!!
起こしてよー!!」
「フフ…だって、ちづちゃんの寝顔可愛すぎ!
それに、起こすの可哀想だったしな」
「うー、去年も寝ちゃったんだよ?
今年は夫婦として初めての年明けだし、今年こそは!って思ってたのに……」
「フフ…」
肩を落とす千鶴の頭を撫でる、朱李。
「朱李くん」
千鶴は気持ち良さそうに微笑み、ゆっくり起き上がった。
「ん?」
朱李も、ゆっくり起き上がる。
「明けましておめでとう!
こんな頼りなくて、ドジで、弱い私だけど……
これからも、よろしくお願いします!」
そう言って、頭を下げた。
「こちらこそ、よろしくなっ!」
朱李も頭を下げる。
「フフ…」
「フッ!!」
二人は、微笑み合ったのだった。
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