冷酷・楠木副社長は妻にだけは敵わない
二人とも果てて、ぐったりして横になっている千鶴と下着姿であぐらをかいて千鶴の頭を撫でている朱李。
「あ…」
突然、朱李の手が止まる。
「ん?何?」
「ううん!」
(ヤベッ…首にキスマークがついてる)
朱李は微笑み、また頭を撫で始めた。
千鶴には、キスマークは服に隠れるところにしてと言われている。
朱李からすれば、キスマークを見えるところにつけることで“俺の女”と牽制しているつもりだが、前にキスマークを友人にからかわれた千鶴は、そんなのもってのほかなのだ。
(黙っとこ……)
朱李は、千鶴の頭を撫でながら思うのだった。
しばらくすると、ノックが聞こえドア越しに朱果が呼びかけている。
朱李はズボンをはき、千鶴に“ちょっと待ってて”と額にキスをしてドアに向かった。
少しだけドアを開け、冷めた目で睨み付ける朱李。
「なんだよ」
「朱李、今から会社に一緒に行ってくれない?」
「━━━━━は?
兄貴、バカなの?
今日は何の日か知ってる?
が、ん、た、ん!
俺達は、休みなんだよ!
そんな日に仕事するか!消えろ!」
相変わらずの冷たい物言い。
しかし慣れている朱果は、冷静に穏やかに言った。
「小田山さんから連絡があって、トラブルだって!
俺、酒をかなり飲んでるから頭が回らないんだ。
朱李はあんま飲んでないだろ?
頼むよ、ついてきてよ」
「嫌だ」
するとワンピースを着た千鶴が来て、朱李の手を握った。
「朱李くん」
「あ、ちづちゃん。
ごめんな、一人にして」
「朱李くん、行ってあげて?」
「は?」
「ね?会社のトラブルなら、行かないとだよ!」
「………」
「朱李くん」
千鶴にこんな風に言われると、もう…答えは一つだ。
「………わかった。
兄貴、とりあえず一旦帰らせろよ。
シャワー浴びて、着替えたい。
ちづちゃんも、用意して?
家で待っててよ」
「うん、わかった!」
タクシーで一旦自宅マンションに帰った、朱李と千鶴。
朱果もついてきて、リビングで待つ。
「朱果くん。これ、酔いざましにどうぞ?」
朱李がシャワーを浴び着替えてる間、千鶴は朱果に温かい緑茶を出した。
「ありがとう!
今回のことも」
「え?」
「千鶴が言ってくれなかったら、朱李は絶対来なかった」
「あ……」
「ほんっと、千鶴以外には冷たい男だからね(笑)」
「あ…」
突然、朱李の手が止まる。
「ん?何?」
「ううん!」
(ヤベッ…首にキスマークがついてる)
朱李は微笑み、また頭を撫で始めた。
千鶴には、キスマークは服に隠れるところにしてと言われている。
朱李からすれば、キスマークを見えるところにつけることで“俺の女”と牽制しているつもりだが、前にキスマークを友人にからかわれた千鶴は、そんなのもってのほかなのだ。
(黙っとこ……)
朱李は、千鶴の頭を撫でながら思うのだった。
しばらくすると、ノックが聞こえドア越しに朱果が呼びかけている。
朱李はズボンをはき、千鶴に“ちょっと待ってて”と額にキスをしてドアに向かった。
少しだけドアを開け、冷めた目で睨み付ける朱李。
「なんだよ」
「朱李、今から会社に一緒に行ってくれない?」
「━━━━━は?
兄貴、バカなの?
今日は何の日か知ってる?
が、ん、た、ん!
俺達は、休みなんだよ!
そんな日に仕事するか!消えろ!」
相変わらずの冷たい物言い。
しかし慣れている朱果は、冷静に穏やかに言った。
「小田山さんから連絡があって、トラブルだって!
俺、酒をかなり飲んでるから頭が回らないんだ。
朱李はあんま飲んでないだろ?
頼むよ、ついてきてよ」
「嫌だ」
するとワンピースを着た千鶴が来て、朱李の手を握った。
「朱李くん」
「あ、ちづちゃん。
ごめんな、一人にして」
「朱李くん、行ってあげて?」
「は?」
「ね?会社のトラブルなら、行かないとだよ!」
「………」
「朱李くん」
千鶴にこんな風に言われると、もう…答えは一つだ。
「………わかった。
兄貴、とりあえず一旦帰らせろよ。
シャワー浴びて、着替えたい。
ちづちゃんも、用意して?
家で待っててよ」
「うん、わかった!」
タクシーで一旦自宅マンションに帰った、朱李と千鶴。
朱果もついてきて、リビングで待つ。
「朱果くん。これ、酔いざましにどうぞ?」
朱李がシャワーを浴び着替えてる間、千鶴は朱果に温かい緑茶を出した。
「ありがとう!
今回のことも」
「え?」
「千鶴が言ってくれなかったら、朱李は絶対来なかった」
「あ……」
「ほんっと、千鶴以外には冷たい男だからね(笑)」