冷酷・楠木副社長は妻にだけは敵わない
車を運転しながら、とにかくイライラしていた。
朱李は、家路をそれて海がある方へ向かった。
このまま帰ると、千鶴に当たりそうだったからだ。
千鶴には一刻も早く会いたい。
でも万が一当たって傷つけでもしたら、後悔してもしきれないだろう。
海に着き、車を降りた。
時間は午前4時でまだ真っ暗だが、あと三時間もすれば日が出るだろう。
煙草をふかしながら、ボーッと黒い海を見ていた。
何故か朱李は、夜の海が好きなのだ。
真っ黒で冷たそうで、まさに自分自身の心の中を見ているようだから。
親近感というと言葉は適切ではないが、何か近いモノを感じ安心するのだ。
小一時間程、海を見つめて今度こそマンションに帰宅した朱李。
暗いダイニングに入り、電気をつける。
すると、テーブルの上の手紙が目に入った。
千鶴からの手紙で━━━━
【朱李くん。
元旦からお仕事、お疲れ様!
大変だったね……
鍋にスープを作ってます。
お野菜たっぷりのスープなので、胃に負担はないかなって思って!
良かったら、温めて食べてね!
本当は、帰ってくるのを待ってようと思ってたけど、やっぱり瞼の重さには勝てません(笑)
先に寝ます。
千鶴】
朱李は微笑み、その文字をなぞった。
キッチンへ行き、鍋の中を覗く。
沢山の野菜が入っていて、スープというよりコンソメ煮のようになっている。
不器用な千鶴らしいなと笑みが出た。
温め、味わって食べる。
「んっ!?
塩辛っ!!
コンソメ入れすぎだろ!?(笑)」
一気に目が覚め、疲れが吹っ飛んだ感じがする。
「……ったく…(笑)
でもなんか、憎めないんだよなぁ……」
きっと……俺の為に何を作ったらいいか考え、野菜を選び調理し、瞼が閉じるギリギリまでダイニングで待ってたのだろう。
想像するだけで、癒される。
朱李は眉間にシワを寄せ、なんとかスープを完食した。
シャワーを浴びてベッドルームに向かうと、大きなベッドに小さな千鶴が気持ち良さそうに寝ていた。
フフ…と微笑んで、千鶴を起こさないように首の下に腕を差し入れ横になった。
「千鶴。
スープ、ありがとな……!」
額にキスをして、心地よい眠りについたのだった。
朱李は、家路をそれて海がある方へ向かった。
このまま帰ると、千鶴に当たりそうだったからだ。
千鶴には一刻も早く会いたい。
でも万が一当たって傷つけでもしたら、後悔してもしきれないだろう。
海に着き、車を降りた。
時間は午前4時でまだ真っ暗だが、あと三時間もすれば日が出るだろう。
煙草をふかしながら、ボーッと黒い海を見ていた。
何故か朱李は、夜の海が好きなのだ。
真っ黒で冷たそうで、まさに自分自身の心の中を見ているようだから。
親近感というと言葉は適切ではないが、何か近いモノを感じ安心するのだ。
小一時間程、海を見つめて今度こそマンションに帰宅した朱李。
暗いダイニングに入り、電気をつける。
すると、テーブルの上の手紙が目に入った。
千鶴からの手紙で━━━━
【朱李くん。
元旦からお仕事、お疲れ様!
大変だったね……
鍋にスープを作ってます。
お野菜たっぷりのスープなので、胃に負担はないかなって思って!
良かったら、温めて食べてね!
本当は、帰ってくるのを待ってようと思ってたけど、やっぱり瞼の重さには勝てません(笑)
先に寝ます。
千鶴】
朱李は微笑み、その文字をなぞった。
キッチンへ行き、鍋の中を覗く。
沢山の野菜が入っていて、スープというよりコンソメ煮のようになっている。
不器用な千鶴らしいなと笑みが出た。
温め、味わって食べる。
「んっ!?
塩辛っ!!
コンソメ入れすぎだろ!?(笑)」
一気に目が覚め、疲れが吹っ飛んだ感じがする。
「……ったく…(笑)
でもなんか、憎めないんだよなぁ……」
きっと……俺の為に何を作ったらいいか考え、野菜を選び調理し、瞼が閉じるギリギリまでダイニングで待ってたのだろう。
想像するだけで、癒される。
朱李は眉間にシワを寄せ、なんとかスープを完食した。
シャワーを浴びてベッドルームに向かうと、大きなベッドに小さな千鶴が気持ち良さそうに寝ていた。
フフ…と微笑んで、千鶴を起こさないように首の下に腕を差し入れ横になった。
「千鶴。
スープ、ありがとな……!」
額にキスをして、心地よい眠りについたのだった。