冷酷・楠木副社長は妻にだけは敵わない
それからゆかりと亜理子はタクシーで乗り合わせて帰り、沙都は周太と帰り、千鶴は朱李に電話をかけていた。
『もしもし?』
電話口に出たのは、朱果だった。
「あれ?朱果くん?
朱李くんは?」
『あー、それが━━━━━━』
「え………」
はぁはぁ……と、千鶴が息切れをしながら病院に駆けつけた。
「あ!朱果くん!!
朱李くんは!!?」
もう既に、千鶴の目は涙でいっぱいだ。
「千鶴!大丈夫だから!
落ち着いて!?」
朱果は、千鶴の頬を包み込み言い聞かせる。
すると処置室が開き、朱李が出てきた。
「え?千鶴?」
「あ、朱李くん!!?
大丈夫!?
こんな……」
駆け寄り、ゆっくり朱李の右手を持ち上げた。
「朱李、どうだった?」
「あぁ、大丈夫!!
骨に異常なくて、切り傷だけで済んだんだ!
5針縫っただけだよ!」
千鶴に安心させるように微笑む、朱李。
「縫っただけって……」
千鶴は、包帯の上からゆっくりさすった。
「だから、泣かないで?ちづちゃん」
朱李が、左手で千鶴の目元をなぞり涙を拭う。
それから、タクシーで帰宅した二人。
「ちづちゃん、どうだった?新年会」
「楽しかったよ」
千鶴に、元気がない。
「ちづちゃん?」
「…………」
「千鶴!?どうした?」
「……どうして、こんなことになったの?」
「んー
俺の千鶴をけなしたから」
「え?」
「千鶴は、俺の太陽なんだ。
千鶴がいてくれるから、俺はかろうじて心に温度を保っていられる。
ずっと、暗い海みたいな俺だった。
千鶴に出逢って、暗い闇みたいな俺の心に千鶴が光を与えてくれた。
そしたらさ!
温かくなったんだ。
そんなの、初めてだった」
「朱李くん…」
「だからね。
絶対に、許さねぇ……!!
相手が誰でも、千鶴を悪く言う奴は全員消してやる!」
「………でも、身体大切にして?」
「うん。わかった。
ごめんな……!」
そう言って顔を寄せる、朱李。
ゆっくり千鶴も、目を閉じた。
チュッとリップ音がして、口唇が離れる。
そして朱李は、千鶴の額に額をくっつけた。
「………ヤバい…////」
「え?」
(抱きてぇ………)
「朱李くん??
………朱李くん、お風呂は入れるよね?
ビニールかなんか、手に巻けば。
一緒に入ろ?
私が、身体洗ってあげるから。
お風呂、沸かしてくるね!」
そう言って、風呂場に行こうとする千鶴。
『もしもし?』
電話口に出たのは、朱果だった。
「あれ?朱果くん?
朱李くんは?」
『あー、それが━━━━━━』
「え………」
はぁはぁ……と、千鶴が息切れをしながら病院に駆けつけた。
「あ!朱果くん!!
朱李くんは!!?」
もう既に、千鶴の目は涙でいっぱいだ。
「千鶴!大丈夫だから!
落ち着いて!?」
朱果は、千鶴の頬を包み込み言い聞かせる。
すると処置室が開き、朱李が出てきた。
「え?千鶴?」
「あ、朱李くん!!?
大丈夫!?
こんな……」
駆け寄り、ゆっくり朱李の右手を持ち上げた。
「朱李、どうだった?」
「あぁ、大丈夫!!
骨に異常なくて、切り傷だけで済んだんだ!
5針縫っただけだよ!」
千鶴に安心させるように微笑む、朱李。
「縫っただけって……」
千鶴は、包帯の上からゆっくりさすった。
「だから、泣かないで?ちづちゃん」
朱李が、左手で千鶴の目元をなぞり涙を拭う。
それから、タクシーで帰宅した二人。
「ちづちゃん、どうだった?新年会」
「楽しかったよ」
千鶴に、元気がない。
「ちづちゃん?」
「…………」
「千鶴!?どうした?」
「……どうして、こんなことになったの?」
「んー
俺の千鶴をけなしたから」
「え?」
「千鶴は、俺の太陽なんだ。
千鶴がいてくれるから、俺はかろうじて心に温度を保っていられる。
ずっと、暗い海みたいな俺だった。
千鶴に出逢って、暗い闇みたいな俺の心に千鶴が光を与えてくれた。
そしたらさ!
温かくなったんだ。
そんなの、初めてだった」
「朱李くん…」
「だからね。
絶対に、許さねぇ……!!
相手が誰でも、千鶴を悪く言う奴は全員消してやる!」
「………でも、身体大切にして?」
「うん。わかった。
ごめんな……!」
そう言って顔を寄せる、朱李。
ゆっくり千鶴も、目を閉じた。
チュッとリップ音がして、口唇が離れる。
そして朱李は、千鶴の額に額をくっつけた。
「………ヤバい…////」
「え?」
(抱きてぇ………)
「朱李くん??
………朱李くん、お風呂は入れるよね?
ビニールかなんか、手に巻けば。
一緒に入ろ?
私が、身体洗ってあげるから。
お風呂、沸かしてくるね!」
そう言って、風呂場に行こうとする千鶴。