冷酷・楠木副社長は妻にだけは敵わない
「━━━━あ、ここです!
本当に、ありがとうございました!」
マンション前で、間野の持っていたエコバッグを取ろうとする千鶴。
しかし間野は、手を引っ込めた。
「え……」
「……の中まで…」
「え?」
「家の中まで、持ってくよ!重いし」
「え?大丈夫ですよ?」
「コーヒー!」
「え?」
「喉乾いたな!
………コーヒー、飲みたいな!」
我ながら、バカみたいな口実だ。
こんなの……逆に警戒され━━━━━━
「あ、はい!
そうですよね?
ここまでこんな重いの持ってもらったのに、気づかなくてすみません!」
(いいのかよ…!!?)
「━━━━━━どうぞ?」
スリッパを出しながら言った、千鶴。
間野は、今更ながら後悔していた。
何でこんなこと言ってしまったのだろう━━━━と。
千鶴に心を奪われ、もう少し話がしたいと思っただけだった。
でも、女性一人の部屋にあがるなんて………
「荷物、ここに置いててください。
ソファ、座っててくださいね!」
「うん」
部屋の中を見回す。
綺麗に整理整頓された、シンプルな部屋。
無駄なモノが一切ない。
「え……ここ、1LDK?」
「あ、はい!」
(俺のマンションと変わらない…)
確かに、全体的には広い。
広さで言えば、断然こっちの方が広い。
しかし夫婦で1LDKは狭くないのか?
朱李は、大会社の副社長だ。
もっと、広い屋敷に住んでると思っていた。
「狭くない?」
「え?いえ!
前は3LDKだったんですが、日中寂しくて……
私……臆病者なので、ちょっとの物音でもビビっちゃうんです……
あ、それに!
お掃除も大変で……
私、知っての通り不器用なので、なーんか上手く出来ないんです……(笑)」
「そっか。
可愛いね!」
「え!?かわ…////そ、そんなことないです////全然」
顔を真っ赤にして、首を振る。
ゆっくり間野がソファから立ち上がる。
「え………間野さ━━━━━」
そして千鶴に近づく。
「千鶴ちゃんって、警戒心ないの?」
「え?」
「こんな無防備だと……」
間野が千鶴の頬に触れる。
「あ、あの…ま、間野さ……」
「………襲われるよ?」
ガシャーーーン!!と、千鶴がカップを落とす。
本当に、ありがとうございました!」
マンション前で、間野の持っていたエコバッグを取ろうとする千鶴。
しかし間野は、手を引っ込めた。
「え……」
「……の中まで…」
「え?」
「家の中まで、持ってくよ!重いし」
「え?大丈夫ですよ?」
「コーヒー!」
「え?」
「喉乾いたな!
………コーヒー、飲みたいな!」
我ながら、バカみたいな口実だ。
こんなの……逆に警戒され━━━━━━
「あ、はい!
そうですよね?
ここまでこんな重いの持ってもらったのに、気づかなくてすみません!」
(いいのかよ…!!?)
「━━━━━━どうぞ?」
スリッパを出しながら言った、千鶴。
間野は、今更ながら後悔していた。
何でこんなこと言ってしまったのだろう━━━━と。
千鶴に心を奪われ、もう少し話がしたいと思っただけだった。
でも、女性一人の部屋にあがるなんて………
「荷物、ここに置いててください。
ソファ、座っててくださいね!」
「うん」
部屋の中を見回す。
綺麗に整理整頓された、シンプルな部屋。
無駄なモノが一切ない。
「え……ここ、1LDK?」
「あ、はい!」
(俺のマンションと変わらない…)
確かに、全体的には広い。
広さで言えば、断然こっちの方が広い。
しかし夫婦で1LDKは狭くないのか?
朱李は、大会社の副社長だ。
もっと、広い屋敷に住んでると思っていた。
「狭くない?」
「え?いえ!
前は3LDKだったんですが、日中寂しくて……
私……臆病者なので、ちょっとの物音でもビビっちゃうんです……
あ、それに!
お掃除も大変で……
私、知っての通り不器用なので、なーんか上手く出来ないんです……(笑)」
「そっか。
可愛いね!」
「え!?かわ…////そ、そんなことないです////全然」
顔を真っ赤にして、首を振る。
ゆっくり間野がソファから立ち上がる。
「え………間野さ━━━━━」
そして千鶴に近づく。
「千鶴ちゃんって、警戒心ないの?」
「え?」
「こんな無防備だと……」
間野が千鶴の頬に触れる。
「あ、あの…ま、間野さ……」
「………襲われるよ?」
ガシャーーーン!!と、千鶴がカップを落とす。