冷酷・楠木副社長は妻にだけは敵わない
朱李は、拳を握りしめて必死に耐えていた。
本当は、間野のことを殴り殺したい。
でも、千鶴の前でそんなことできない。
間野が出ていくのを、ただ耐えていた。
「朱李くん…」
千鶴が恐る恐る声をかけてくる。
朱李は天井を見上げ、目を強く瞑った。
そして大きく深呼吸をした。
「千鶴」
「はい!」
たった一言、千鶴を呼ぶ朱李の声。
必死に抑えていても、とてつもない怒りと重みがあり、千鶴は思わず肩に力が入る。
「何があったか、聞かせて?」
「うん」
千鶴は、全て包み隠さず話した━━━━━
買い物の荷物を持ってくれたこと、お礼にお茶をご馳走しようとしたこと、頬を触られ思わずコーヒーカップを落とし、間野にヤケドをさせたこと。
「そう…わかった」
ソファに並んで座って、朱李は千鶴の手を握り話を静かに聞いていた。
ゆっくり頷くと、朱李は千鶴の手を握ったまま立ち上がった。
そのまま手を引く。
そしてベッドルームに移動した。
千鶴をベッドに寝かせ、両手を縫いつけ組み敷いた。
「千鶴」
「はい!」
「千鶴は、あいつの言う通りだ」
「え……」
「警戒心がなくて、無防備」
「ご、ごめんなさい…」
「百歩譲って、荷物を運んでもらったことはいいよ。
でもその後ことは、全て許せない!
しゅうに対しては沙都に気を遣ってのかわかんねぇけど、ちゃんとガードするクセに!」
「ごめんなさい!」
「いくらあいつが知り合いだからって、千鶴一人の部屋に上がらせるなんて、何されても文句言えねぇんだよ?
わかってんの?
間野は、男だぞ!?
千鶴なんて、簡単に犯せるんだからな!」
「うん…」
「で、結果的に怪我させた」
「うん…」
「だから俺は、あいつを責められないじゃん!」
「そうだね…」
「ほんとなら、あいつを殺してやりたい!
俺の千鶴に触るなんて、許されないんだから!」
「………」
千鶴は、何も言えなかった。
それだけのことをしたのは、自分だ。
間野だけでなく、朱李も傷つけたのだから。
「千鶴」
「え?」
「俺のお仕置き、受けてね」
「え━━━━━」
「俺の苦しみと心の痛み、千鶴が責任をもって受け止めるんだ。わかった?」
「…………わかった」
それから一晩中、千鶴は朱李の狂おしい愛情を刻み込まれた。
時々身体に鋭い痛みがあり、いつものキスマークとは違う赤黒い内出血がつく。
「千鶴…ごめん、ほんと…止まんねぇ……」
「ううん…いい…の…もっと、して……」
「………っ…」
「朱李…く…」
「………なん…で…こんなに千鶴のこと、好きなんだろうな…俺…」
「え……」
「俺、イカれてるくらい…千鶴が好きなんだ……
だって、こんな痛そうな…内出血見ても…
罪悪感なんて感じない……
寧ろ…嬉しい……
千鶴は、俺のモノなんだって思えるから……」
「うん…いい、よ…もっと、つけても…
朱李く…の気が、収まるなら…私は、何でもする…」
「千鶴…」
「私も…朱李くんが…いれば……い…」
「千鶴…千鶴…俺を見て……俺だけを見てて……
俺以外の奴なんか、見ないで?
言ったよな?
俺の嫉妬は、ちづちゃんの何十倍も激しいって。
だから、もう…やめろよ、こんなこと……」
「うん…ごめんなさい……」
「ん。
ちづちゃん、キスしよ?
もう、痛くしないから」
「ん…」
チュッと口唇が重なって離れた。
そして額をくっつけた。
「朱李くん」
「ん?」
「大好き」
「うん、俺も!」
千鶴は、朱李の背中に腕を回しギュッとしがみついたのだった。
本当は、間野のことを殴り殺したい。
でも、千鶴の前でそんなことできない。
間野が出ていくのを、ただ耐えていた。
「朱李くん…」
千鶴が恐る恐る声をかけてくる。
朱李は天井を見上げ、目を強く瞑った。
そして大きく深呼吸をした。
「千鶴」
「はい!」
たった一言、千鶴を呼ぶ朱李の声。
必死に抑えていても、とてつもない怒りと重みがあり、千鶴は思わず肩に力が入る。
「何があったか、聞かせて?」
「うん」
千鶴は、全て包み隠さず話した━━━━━
買い物の荷物を持ってくれたこと、お礼にお茶をご馳走しようとしたこと、頬を触られ思わずコーヒーカップを落とし、間野にヤケドをさせたこと。
「そう…わかった」
ソファに並んで座って、朱李は千鶴の手を握り話を静かに聞いていた。
ゆっくり頷くと、朱李は千鶴の手を握ったまま立ち上がった。
そのまま手を引く。
そしてベッドルームに移動した。
千鶴をベッドに寝かせ、両手を縫いつけ組み敷いた。
「千鶴」
「はい!」
「千鶴は、あいつの言う通りだ」
「え……」
「警戒心がなくて、無防備」
「ご、ごめんなさい…」
「百歩譲って、荷物を運んでもらったことはいいよ。
でもその後ことは、全て許せない!
しゅうに対しては沙都に気を遣ってのかわかんねぇけど、ちゃんとガードするクセに!」
「ごめんなさい!」
「いくらあいつが知り合いだからって、千鶴一人の部屋に上がらせるなんて、何されても文句言えねぇんだよ?
わかってんの?
間野は、男だぞ!?
千鶴なんて、簡単に犯せるんだからな!」
「うん…」
「で、結果的に怪我させた」
「うん…」
「だから俺は、あいつを責められないじゃん!」
「そうだね…」
「ほんとなら、あいつを殺してやりたい!
俺の千鶴に触るなんて、許されないんだから!」
「………」
千鶴は、何も言えなかった。
それだけのことをしたのは、自分だ。
間野だけでなく、朱李も傷つけたのだから。
「千鶴」
「え?」
「俺のお仕置き、受けてね」
「え━━━━━」
「俺の苦しみと心の痛み、千鶴が責任をもって受け止めるんだ。わかった?」
「…………わかった」
それから一晩中、千鶴は朱李の狂おしい愛情を刻み込まれた。
時々身体に鋭い痛みがあり、いつものキスマークとは違う赤黒い内出血がつく。
「千鶴…ごめん、ほんと…止まんねぇ……」
「ううん…いい…の…もっと、して……」
「………っ…」
「朱李…く…」
「………なん…で…こんなに千鶴のこと、好きなんだろうな…俺…」
「え……」
「俺、イカれてるくらい…千鶴が好きなんだ……
だって、こんな痛そうな…内出血見ても…
罪悪感なんて感じない……
寧ろ…嬉しい……
千鶴は、俺のモノなんだって思えるから……」
「うん…いい、よ…もっと、つけても…
朱李く…の気が、収まるなら…私は、何でもする…」
「千鶴…」
「私も…朱李くんが…いれば……い…」
「千鶴…千鶴…俺を見て……俺だけを見てて……
俺以外の奴なんか、見ないで?
言ったよな?
俺の嫉妬は、ちづちゃんの何十倍も激しいって。
だから、もう…やめろよ、こんなこと……」
「うん…ごめんなさい……」
「ん。
ちづちゃん、キスしよ?
もう、痛くしないから」
「ん…」
チュッと口唇が重なって離れた。
そして額をくっつけた。
「朱李くん」
「ん?」
「大好き」
「うん、俺も!」
千鶴は、朱李の背中に腕を回しギュッとしがみついたのだった。