冷酷・楠木副社長は妻にだけは敵わない
「ちづちゃん、本当にありがとな!」

自宅マンションに帰り、ベッドに並んで座っている二人。

「うん!
明日、フィギュア交換しに行こうね!」
「あぁ!」

「あと、これも!」
沙都がくれた、高級旅館のペア招待券だ。

「クリスマスと結婚記念日の時に行こうな!」
「うん!」

微笑む千鶴に、ゆっくり顔を寄せる朱李。
「朱李くん?」

「もう…いいよな?」
「え━━━」
朱李が千鶴の口唇を親指でなぞる。

「もう…我慢できねぇ━━━━━━」
「ンンン……」
奪うように口唇を重ね、貪る朱李。

そのまま、押し倒した。

「このまま、抱かせてね」
「ん…」
朱李の口唇が……頬や首、鎖骨に落ちる。

「もったいないけど……天使、脱がすね」
そう言って、背中に手を回しファスナーを下ろそうとする。

「あ…朱李くん、違うの…」
「は?」

「ファスナー、左……」
「あ、ほんとだ(笑)」

「フフ…待ってね。脱ぐから」
千鶴が起き上がり、左側にあるファスナーを下ろす。
そして天使の衣装を脱いだ。

しかし、上手く脱げない。
朱李がジッと見つめているから。

その間もどかしくて、朱李は千鶴の身体にキスをし始めた。

「んんっ…朱李く……」
「もしかして、千鶴……焦らして煽ってんの?」

「え?そ、そんなわけないでしょ////!?
朱李くんが、ジッと見つめるから緊張するの」

「んーでも、煽られた!」
「え!?ちょっ……」
また千鶴を押し倒し、組み敷いた。

「………ちづちゃん」
「え?」

「もう、喧嘩したくない」
「うん…」

「ほんと、凹んだ……」
「うん…」

「これからは、ずーっと仲良くしようね!」

「うん!」

「それでね?」

「うん」

「………」
「ん…」
朱李が千鶴の腹の辺りをなぞった。


「…………子ども、作ろう!」


「え?いいの?」

「うん。この一年、沢山千鶴を堪能したから!
だから…………もう、薬飲まなくていいからな!」

「うん」

「いっぱい愛し合って、子ども作って、幸せな家庭にしよう!」

「うん!」

「………って、プロポーズみたいだな(笑)」

「フフ…」

「ちづちゃんみたいな、可愛い女の子作ろうな!」

「え?私、男の子がいい!
朱李くんみたいな!」

「男はダメだよ!」
「え?どうして?」

「嫉妬するもん」

「………もう(笑)」

「はい!可愛い女の子、作ろうなっ!」

そう言って、千鶴の口唇を塞いだのだった。
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