冷酷・楠木副社長は妻にだけは敵わない
「千鶴。覚悟、できてるよな?」

「え?ご、ごめんなさい……怒った?」

「怒るわけないだろ?
俺が言ってるのは、今から俺に抱き壊される覚悟のことだよ。
いつも言ってるだろ?
俺は、千鶴のこと好きすぎて狂ってるって。
そんな千鶴に、こんな可愛く煽られたらもう…止まんない。
きっと………千鶴が嫌がっても、縛ってでも抱く」

朱李の着ている浴衣が少し乱れていて、なんだか色っぽい。
大きな窓から入る月明かりが朱李を照らし、更に朱李を妖しくさせる。


千鶴は、見惚れていた━━━━━━━


「朱李く…/////」

「ん?今更、嫌とか言うなよ?
まぁ……嫌っつっても無理矢理でも抱くけど!」

「そんなこと言わないよ」

「そ?良かった!じゃあ…遠慮なく!」

「朱李くん…」
「ん?」

「………き…」

「ん?」
「好き…////」

「……/////だからぁ!!」

「え?」

「煽るなっつってんの!!!」

朱李が千鶴の口唇に食らいつくように奪い、貪った。

二人は酔ったように、お互いに落ちていく━━━━━

ギシッ…ギシッ…とベッドのスプリングが響く。
「ん……しゅ、り…く…だめ……また…っ」

「ん…いいよ…何回もイって……?
可愛い…千鶴…
可愛すぎて……益々…止まんねぇ……!」

「朱李く…好き…大好き……」

「千鶴…俺も、好きだ……好きだよ……
手……繋ご…?
千鶴…俺を見て?
見つめ合って…一緒に………!」

二人は、指を絡め合う。
「んぁぁ…だめ……っ…」


━━━━━━漸く落ち着いて、今また二人は露天風呂に浸かっていた。

「ちづちゃん」
「ん?」
「身体、大丈夫?」

「大丈夫じゃない…クタクタ…(笑)」

「だろうな(笑)
ごめんね、止まんなかった……!
ちづちゃんが可愛すぎて……」

「ううん。私が煽ったんだし……」

「確かに!あんな煽り方……俺の理性、あっという間にぶっ壊れるよ!」
「フフ…」

「笑い事じゃねぇの(笑)また襲うぞ!?」

「え!?さすがに無理だよ!
でも……朱李くんは疲れてないの?
あんなに抱き合ったのに……」

「うん。まだまだ抱けるよ!
ちづちゃんのことなら」

「………」
目をパチパチさせて見つめる千鶴だった。


それから、またベッドに横になる。

「もうすぐ、夜明けだね(笑)」
「あぁ、そうだな(笑)
今度こそ、寝ようか?」

「うん……!」

腕枕をした朱李が、ゆっくり千鶴の頭を撫でる。

千鶴も、ゆっくり朱李の頭を撫でた。


「おやすみ、ちづちゃん…!」

「おやすみなさい、朱李くん!」

二人は、心地よい眠りについた。



そして二人の、初めての結婚記念日は穏やかに過ぎたのだった━━━━━━━━
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