冷酷・楠木副社長は妻にだけは敵わない
「━━━━━━そんなこともあったね!」

高校の時を思い出していた、朱李・千鶴・朱果。

ポツリと、朱果が言った。


「でもちづちゃんが俺にチョコくれた時は、マジで嬉しかった!
しかも!
“これは、朱李くんだけの為に作ったの”って言ってくれて!」

「あ////そうだったね////
でも、スッゴく不味かったんだよね………」
「あー、苦かった……(笑)」

「ハハハ……ごめんね…
ほんと、不器用なもんで……」

「でも……」
「ん?」

朱李の顔が、グッと近づく。

「ちづちゃんの気持ちは、凄く甘かった!
それこそ、一生懸命俺のことを想って作ってくれたってことは、十分通じたから」
「うん…////」

口唇が触れそうになり、千鶴の顔が更に赤くなる。

「ちづちゃんって、ほんと可愛いのな!」
「朱李くん/////もう少し…離れて…/////」

「ん?キスしようよ」
「だ、ダメだよ////ここ、お義父さんと朱果くんが……」

「でも、我慢できない」

(えーー!!?ここではやめてぇーー!!)
ギュッと目を強く瞑る、千鶴。

「朱李!!」

そこに朱果が、鋭い声で朱李の名前を呼んだ。

「あ?なんだよ」

「サカるなら、部屋でやって!
未練はないけど、目の前で二人のイチャイチャは見たくない」

「はいはい…
ちづちゃん、部屋行こう!」
「うん…」

手を繋ぎ、二階の朱李の部屋に向かった。


ソファに並んで座ると、すぐに朱李が顔を寄せてきた。
「朱李く━━━━ンン…」
口唇が重なる。
それだけで、胸が昂る。

「ちづちゃんの口唇…気持ちいい……」
「……/////」

「もう一回……!」
「ん……んはぁ…」

そして朱李の口唇が、そのまま頬や首に移動する。
更に朱李の手が、スカートの裾から入ってくる。
「え……朱李くん?」
「ん?」
「このまま…////」

「うん…嫌?」
「嫌じゃないよ…でも……シャワー浴びてから……」

「………わかった…」

シャワーを浴びながら、口唇を貪る朱李。
「しゅ…くん…苦し……よ…」
「ヤバい…止まんねぇ……!
ベッド行こ?」

ベッドに移動して、千鶴を組み敷いた。
「千鶴…」
愛おしそうに名前を呼ぶと、千鶴がフフ…と笑った。

「ん?ちづちゃん?」

「朱李くんが時々不意に“千鶴”って呼ぶの、ドキッてする……
大好き…」

「そう?
千鶴…千鶴…千鶴……」

「フフ…あ、でも…怒った時に呼ぶ“千鶴”は、怖いけど(笑)」

「フッ…ほら、もう…俺だけに集中して?」

そう言って朱李は、千鶴の口唇を塞いだ。
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