Liars or Lovers 〜嘘つき女と嘘つき男〜
◇ ◇ ◇
窓側を向いたカウンター席に座っていると、後ろからさっとアイスカフェラテが置かれた。
「美羽さんは、これで良かったよね。ガムシロップ、いる?」
「ううん、ありがとう」
嬉しそうに口角を引き上げた拓都さんは、そのまま私の隣に腰掛ける。と、思わずふふっと笑みが漏れた。
「拓都さんは、そういうのがお好きなんですね」
「え? ……ああ」
はにかんだ拓都さんは、へへっと後頭部を掻いた。
彼の手に握られていたのは、ホイップクリームがたっぷり乗った、抹茶ラテだった。
「甘いの、好きなんだ」
「そうなんですね」
相槌を打つと、拓都さんはまた「あー……」と声を濁らせる。
「その、敬語とか、やめない? 俺ら、同い年だし」
その発言に、またチクリと胸が痛む。
「うん、じゃあ」
気づかれないように慌てて微笑むと、私はアイスカフェラテに口をつける。
ひと口飲んで、ふう、と息をついた。
すると不意に、彼の手が私の二の腕に触れた。
「え!?」
思わず出した大声に、彼は慌てて手を引っ込める。
「あ、ごめん……その……鳥肌、立ってたから。寒いのかなあって」
「あ、ううん、私も大声出してごめんなさい……」
彼なりの気遣いだったらしい。
確かに、この格好はクーラーの効いた室内では少し寒い。
というのも、私の服じゃダメだと、美玖が自身の服で私をコーディネートしてくれたからだ。
短いフレンチスリーブのシャツに、膝上のフレアスカート。生足にヒールのサンダル。
普段はダボっとしたTシャツにジーンズ、スニーカー愛用の私。それに加えて、30代冷え性。
鳥肌が立たないわけがない。
拓都さんはいたわるように私の二の腕を何度か擦ってから、「出ようか」と飲みかけのドリンク片手に立ち上がる。
「外にテラス席もあるみたいだから。あっちは空いてるし」
そう言う拓都さんは、また爽やかな笑みを浮かべていた。
私の胸が、またトクンと高鳴った。
窓側を向いたカウンター席に座っていると、後ろからさっとアイスカフェラテが置かれた。
「美羽さんは、これで良かったよね。ガムシロップ、いる?」
「ううん、ありがとう」
嬉しそうに口角を引き上げた拓都さんは、そのまま私の隣に腰掛ける。と、思わずふふっと笑みが漏れた。
「拓都さんは、そういうのがお好きなんですね」
「え? ……ああ」
はにかんだ拓都さんは、へへっと後頭部を掻いた。
彼の手に握られていたのは、ホイップクリームがたっぷり乗った、抹茶ラテだった。
「甘いの、好きなんだ」
「そうなんですね」
相槌を打つと、拓都さんはまた「あー……」と声を濁らせる。
「その、敬語とか、やめない? 俺ら、同い年だし」
その発言に、またチクリと胸が痛む。
「うん、じゃあ」
気づかれないように慌てて微笑むと、私はアイスカフェラテに口をつける。
ひと口飲んで、ふう、と息をついた。
すると不意に、彼の手が私の二の腕に触れた。
「え!?」
思わず出した大声に、彼は慌てて手を引っ込める。
「あ、ごめん……その……鳥肌、立ってたから。寒いのかなあって」
「あ、ううん、私も大声出してごめんなさい……」
彼なりの気遣いだったらしい。
確かに、この格好はクーラーの効いた室内では少し寒い。
というのも、私の服じゃダメだと、美玖が自身の服で私をコーディネートしてくれたからだ。
短いフレンチスリーブのシャツに、膝上のフレアスカート。生足にヒールのサンダル。
普段はダボっとしたTシャツにジーンズ、スニーカー愛用の私。それに加えて、30代冷え性。
鳥肌が立たないわけがない。
拓都さんはいたわるように私の二の腕を何度か擦ってから、「出ようか」と飲みかけのドリンク片手に立ち上がる。
「外にテラス席もあるみたいだから。あっちは空いてるし」
そう言う拓都さんは、また爽やかな笑みを浮かべていた。
私の胸が、またトクンと高鳴った。