【6月7日書籍発売コミカライズ決定】鬼騎士団長様がキュートな乙女系カフェに毎朝コーヒーを飲みに来ます。……平凡な私を溺愛しているからって、本気ですか?
「騎士団長様……」
「そんな風に切なく呼ばれるなんて、喜んでもいいのだろうか」
「っ、騎士団長様!?」
勢いよく振り返った視線の先には、なぜか私服姿の騎士団長様が、荷物を抱えて立っていた。
「今日発つのだろう?」
「はっ、はい! あの、見送りに来てくださったのですか?」
「……そう見えるか? ところで、そのクマのぬいぐるみ、持って行くのか? 荷物になるのでは……」
大きなリュックを背負った私は、大事にクマのぬいぐるみを抱えている。
騎士団長様にお会いできないまま旅立つならせめてもと持ってきたのだけれど、まさか見られてしまうなんて。
「騎士団長様と一緒にいられるような気持ちになれるので」
「く……。なんだそれは」