【6月7日書籍発売コミカライズ決定】鬼騎士団長様がキュートな乙女系カフェに毎朝コーヒーを飲みに来ます。……平凡な私を溺愛しているからって、本気ですか?

 先ほどまでの緊張を忘れてしまうくらい、その部屋は私好みだった。
 大事に抱えてきたクマのぬいぐるみを、そっと白い塗装が施された猫脚のソファーに置く。

 ――――外の色合いは、どこか明るくて元気な印象だけれど、内装はとてもロマンチックなのね。

 淡いグレーの壁紙には、オフホワイトで鳥や花が描かれている。
 白い猫脚のソファーは、淡く落ち着いたピンクと、壁紙とおそろいのグレーのストライプ。

 広いキングサイズのベッドも、ソファーとお揃いだ。

 白いライティングデスクを開いてみれば、深い海みたいなブルーのインク、キラキラ輝くガラスペン、白い薔薇がエンボス加工で描かれたレターセットまで用意されていた。

「ものすごく、かわいいですね!!」

 満面の笑顔で振り返れば、騎士団長様はなぜか今我に返ったように、軽く目を見開いた。
< 114 / 334 >

この作品をシェア

pagetop