【6月7日書籍発売コミカライズ決定】鬼騎士団長様がキュートな乙女系カフェに毎朝コーヒーを飲みに来ます。……平凡な私を溺愛しているからって、本気ですか?
先ほどまでの緊張を忘れてしまうくらい、その部屋は私好みだった。
大事に抱えてきたクマのぬいぐるみを、そっと白い塗装が施された猫脚のソファーに置く。
――――外の色合いは、どこか明るくて元気な印象だけれど、内装はとてもロマンチックなのね。
淡いグレーの壁紙には、オフホワイトで鳥や花が描かれている。
白い猫脚のソファーは、淡く落ち着いたピンクと、壁紙とおそろいのグレーのストライプ。
広いキングサイズのベッドも、ソファーとお揃いだ。
白いライティングデスクを開いてみれば、深い海みたいなブルーのインク、キラキラ輝くガラスペン、白い薔薇がエンボス加工で描かれたレターセットまで用意されていた。
「ものすごく、かわいいですね!!」
満面の笑顔で振り返れば、騎士団長様はなぜか今我に返ったように、軽く目を見開いた。