【6月7日書籍発売コミカライズ決定】鬼騎士団長様がキュートな乙女系カフェに毎朝コーヒーを飲みに来ます。……平凡な私を溺愛しているからって、本気ですか?
「……愛している」
「…………っ、!?」
唐突な愛の告白に驚いていると、騎士団長様の手を離れた花冠が、私の頭にのっていた。
「……えっと、あの」
「はは、柄にもないことをしたな」
「アーサー様?」
「この祭りで、花冠を渡して愛をささやけば、その恋人たちはずっと幸せにいられるらしい。だから」
顔が熱い。いくら、日が高くなったからって、いくら何でも暑すぎる。
口から心臓が飛び出しそうに苦しい。そして、泣いてしまいそうなほどうれしい。
色とりどりの花冠。
騎士団長様は、どんな表情で受け取ったのだろうか。
「うれしいです」
「ああ……」
「これで、ずっと一緒にいられますね?」
「そうだな。ずっと一緒だ」
珍しいことに、花の妖精が飛んでいるのを私は見た。
森の中でもないのに、妖精を見かけるなんてとても珍しい。
「……騎士団長様。えっと、少しの間持っていてください」
「ん? ああ」
私は、串焼き肉と綿あめを騎士団長様に渡して、花冠をそっと外す。
「少しかがんでもらえませんか?」
「……うん? これくらいか?」