【12月6日書籍2巻発売コミカライズ決定】鬼騎士団長様がキュートな乙女系カフェに毎朝コーヒーを飲みに来ます。……平凡な私を溺愛しているからって、本気ですか?
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「まあ、リティリアとの出会いは、こんな感じだ」
「懐かしいですね!」
あの後、オーナーは、私を家まで連れ帰ってくれた。
彗星のようにあらわれ、王宮魔術師としてすでに王国の英雄と呼ばれていたオーナー。
『大変だったようですね……。もし、同じようなことがあったなら、いつでも我が領にいらしてください』
『なぜ、ご存じなのですか?』
『……妖精たちが、教えてくれますから』
私と同じ、淡い紫の瞳を持つお母様は、すでに全部分かっていたようだった。
『さ、リティ? 約束を守れなかったことは、叱らなくてはいけないわ』
その後、私はいつもは穏やかで優しいお母様に、こってりと叱られたのだった。
私のお母様は、レトリック男爵領を襲った流行病て命を失った。
幼い頃からの婚約者だったギリアム様にも婚約破棄された私を助けてくれたのがオーナーだったのだ。
「……まさか、オーナーが、カフェフローラみたいな可愛いお店を経営しているなんて、予想外でしたけれどね」
「うん。俺には、あんな可愛い趣味はない。でも、君のそんなところは、とても可愛らしいと思うよ」