【6月7日書籍発売コミカライズ決定】鬼騎士団長様がキュートな乙女系カフェに毎朝コーヒーを飲みに来ます。……平凡な私を溺愛しているからって、本気ですか?
紫色の瞳をした姉弟
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「おかえり、姉さん」
「ただいま。エルディー」
私は、三年ぶりに実家に帰ってきた。
私と並ぶくらいの背丈だった弟、エルディーは、会わない間に私の背を抜いてしまい、見上げないと目線が合わなくなっていた。
長身の騎士団長様と比べれば、少し低いかもしれないけれど、私より三歳下の弟には、まだ成長の余地がある。
……どこまで大きくなるつもりなのかしら。
私の後ろには、騎士団長様とオーナー。
「お久し振りです。王宮魔術師シルヴァ様」
「ああ。エルディーも、大きくなったね。出会ったときは、こんなに小さかったのに。感慨深いよ」
「…………そこまで小さくありません」
オーナーが作った、人差し指と親指の隙間。
そんなに小さくはなかったと、私も思う。
「それから、ご挨拶が遅れました。アーサー・ヴィランド卿ですよね? はじめまして、リティリアの弟、エルディー・レトリックと申します」
「ああ、アーサー・ヴィランドだ。よろしく頼む」
なぜか、弟は騎士団長様に値踏みでもするような鋭い視線を向けた。