【12月6日書籍2巻発売コミカライズ決定】鬼騎士団長様がキュートな乙女系カフェに毎朝コーヒーを飲みに来ます。……平凡な私を溺愛しているからって、本気ですか?
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胸に輝く魔鉱石は、たぶん値段がつけられないに違いない。
拾った魔鉱石に、それぞれの魔力を込めてもらっただけだから、元手はかからないにしても……。
市場に出回らない高品質の魔鉱石が3個に、王国の五本の指に入る3人の魔力……。
けれど、胸に輝く宝石は、三人の気持ちが込められているようで、見るたびに頬が緩んでしまう。
「嬉しそうだな?」
「はい! とても嬉しいです」
「そうか、ところで……」
騎士団長様が差し出したのは、大きな箱だった。
促されるままに開けてみれば、中には薄い紫色のドレスが入っていた。
「あ、もしかして、あの時のドレスが出来上がったのですか?」
「そうだ。……リティリア嬢に、さぞや似合うだろうな」
微笑んだ騎士団長様。
こんなに素敵な人から、ドレスを贈られて、よろこばない女性なんてきっといない。
「騎士団長様、ありがとうございます。でも、お礼をしてもしても、返されてしまって困ります」
照れ隠しがほんの少し紛れているにしても、間違いなくそれは私の本音だ。