【12月6日書籍2巻発売コミカライズ決定】鬼騎士団長様がキュートな乙女系カフェに毎朝コーヒーを飲みに来ます。……平凡な私を溺愛しているからって、本気ですか?
私は衝撃を受ける。
なんということだろう。長期休暇をいただく前に、在庫に関しては指示をして問題ないようにしていたはずだ。けれど、すでに棚の中は空になっているものが多く、並び順もぐちゃぐちゃになってしまっている。
「あわわわ!」
「……なるほど。つまりこの店は、リティリアの手によってまわっていたと言うことか」
「そ、それは言い過ぎですけれども!!」
けれど、確かにこのお店のお菓子は半分私が作っていたし、在庫管理も最近は一手に引き受けていた。
でも、ちゃんと仕入れられるだけ仕入れて、次の仕入れについても手はずを整えていたはず……。
「き、騎士団長様」
「このまま働く気か?」
「だ、だって、これはまずいですよ」
「そうだな。俺もそう思うが」
騎士団長様は、裏口からバックヤードに入り込み、水道で手を洗った。