【12月6日書籍2巻発売コミカライズ決定】鬼騎士団長様がキュートな乙女系カフェに毎朝コーヒーを飲みに来ます。……平凡な私を溺愛しているからって、本気ですか?
真剣に仕事に取り組んでいると、時間が過ぎるのは早いものだ。
特にものすごく忙しい日であればなおさら。
「ふ、ふう……。何とかお客様全てにご満足頂けたようだわ」
額の汗を拭う仕草をしながらも、ダリアは一分の隙もなく可愛らしい。
久しぶりにイチ押し店員に会えて、私は幸せだ。
「ところで、どうして今日はお店に? まだ、故郷にいるはずだったんじゃないの?」
「あ、それはね…………。あっ、あー!!」
私は、バックヤードに飛び込む。
全くお客様が途切れない上に、二人きりしかいないから、思い出す間もなかった。
「も、申し訳ありません……! え?」
磨き上げられて輝く床。
完璧に整えられた在庫。
帳票には、不足分が正確に記載されている。
「こ、これは?」
「リティリアが働いているのに、何もしないわけにいかないだろう」
「え、でも、完璧すぎませんか?」
「騎士団の備品、食糧管理が出来なければ飢えるからな」
「な、なるほど……?」