【12月6日書籍2巻発売コミカライズ決定】鬼騎士団長様がキュートな乙女系カフェに毎朝コーヒーを飲みに来ます。……平凡な私を溺愛しているからって、本気ですか?
「……こんなにたくさん、困ります」
「え? 控えめにしたのだが」
「…………はぁ」
貧乏男爵家に生まれた私と、王国の剣、騎士団長であり裕福な伯爵家生まれの騎士団長様は、金銭感覚にずれがあるのだろうか。
「そんなはずない。……幼い頃から戦場で苦労していたはずだもの」
「リティリア……。気に入らなかったのか」
「そ、そんなわけでは」
「そうだな。金とは貯まるばかりで、使い道のないものだと思っていた。贈る相手が出来て、つい羽目を外してしまったのかもな」
シュンとしてしまった騎士団長様は、雨に濡れた子犬みたいだ。
困ったな、と思いながらも私はそんな姿にめっぽう弱い。
「……今回は、受け取ります。でも、これからは、こんなにたくさん贈らないでください。もったいないです」
「……そうだな。これからは、リティリアがこの屋敷の全てを管理するんだ。ちゃんと相談しよう」
「……ん?」
「それはそうだろう。リティリアの仕事だ」