【12月6日書籍2巻発売コミカライズ決定】鬼騎士団長様がキュートな乙女系カフェに毎朝コーヒーを飲みに来ます。……平凡な私を溺愛しているからって、本気ですか?
ニッコリと笑う騎士団長様は、眩しいことこの上ない。
結婚した夫人の仕事は、確かに屋敷内の管理だろう。けれど、管理する金額を想像するだけで恐ろしい。
「早速開けてくれるか?」
「はい。……あの」
「なんだ、リティリア?」
「……ありがとうございます。お礼が遅くなってしまってごめんなさい」
「ああ。喜んでもらえるといいのだが」
妖精がまとわりついていた箱の中身は、森のクマさんの新キャラクター。
大きなリボンがついた女の子のクマさんだった。
「……っ!!」
私は思わずそのクマを抱きしめる。
妖精も気に入ったのか、嬉しそうにその頭の上にとまる。
もしかして、箱の数は多いけれど、こんな可愛らしいプレゼントなのかしら。
そんな期待をしつつ、持ち上げた小さな箱は、その大きさに見合わず妙に重い。
嫌な予感を感じながら開ければ、拳ほどの大きさの淡い紫色の宝石が、と淡いグリーンの宝石が一つずつ、どこか無造作に入っていた。