【12月6日書籍2巻発売コミカライズ決定】鬼騎士団長様がキュートな乙女系カフェに毎朝コーヒーを飲みに来ます。……平凡な私を溺愛しているからって、本気ですか?

「……これは」
「うん、お揃いがいいと言っていただろう?」
「……確かに言いましたが」

 残りの箱を開ける元気はない。
 開けるのは、取りあえず、お揃いというものを騎士団長様に理解してもらってからだと私は、心に決めた。

 二つの宝石は、あの日もらった銀の薔薇が入っている宝箱に大切にしまい込む。

「このあとのご予定は?」
「いや、今日は仕事は終えてきたが」
「出掛けましょう!」
「ん?」

 贈り物の山を残して、騎士団長様の手を引く。
 お揃いとは何かを知ってもらうために。
< 222 / 334 >

この作品をシェア

pagetop