【12月6日書籍2巻発売コミカライズ決定】鬼騎士団長様がキュートな乙女系カフェに毎朝コーヒーを飲みに来ます。……平凡な私を溺愛しているからって、本気ですか?

 慣れなくては……。

 気合いを入れて見つめていたら、ふっと小さな吐息とともに、騎士団長様の顔が近づいてきて、頬に口づけされる。

「……いきなり」
「リティリアが可愛いのがいけない」
「えぇ」
「ところで、妖精がついてきてしまったようだな」
「……そうですね」

 少しだけ、嫌な予感がする。
 妖精が離れてくれないときは、大抵なにか私の周りで事件が起こる。

「……そんな顔をしないでくれないか」
「すみません」
「何があろうと、守るから」
「……無茶しないでくださいね」
「ああ」

 約束しかねる、という音が重なって聞こえてきたのは、きっと気のせいだと思いたい。
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