【12月6日書籍2巻発売コミカライズ決定】鬼騎士団長様がキュートな乙女系カフェに毎朝コーヒーを飲みに来ます。……平凡な私を溺愛しているからって、本気ですか?
「オーナー! 大丈夫ですか?」
「もちろん、問題ない」
質問を間違えたのだろう。
オーナーが、私を前にダメだと言うはずない。
その証拠に、オーナーは青ざめた顔色のまま、それを隠すように微笑んだ。
「……あの、私」
「リティリアには、もっと自分を大切にしてほしい」
ポンポンッとのせられた手は、大きくて、この手がとても頼りになることを私は知っている。
「……それから、ヴィランド卿にも」
バサリ、と音がして、顔を上げる。
すでに、魔術師団の制服を着たオーナーは、私に背を向けていた