【12月6日書籍2巻発売コミカライズ決定】鬼騎士団長様がキュートな乙女系カフェに毎朝コーヒーを飲みに来ます。……平凡な私を溺愛しているからって、本気ですか?
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「すごい。人がたくさん……」
会場の入り口でチケットを渡し、半券を受け取った私は、指定されている自分の席を探す。
ようやく見つけて、座ったころには、すでに第一試合が始まろうとしていた。
「騎士団長様……」
競技場にいる騎士様たちの中には、騎士団長様の姿は見当たらなかった。
もしかしたら、来ないのかもしれない……。
少し残念だけれど、騎士様たちの試合を見たことがない私は、気持ちを切り替えてもう一度試合が行われる場所に目を向ける。
一段高くなったそこから落ちたり、剣を落としたりすると失格になるそうだ。
高く響き渡る剣が交わる音。
目を離すことができない、真剣な戦いに目を奪われる。
……すごい!!
王都で見かけるたびに、騎士様ってカッコいいと憧れていたけれど、これを見てしまったら、本気でファンになって、通ってしまいそうだ。
すでに、ダリアは、何度も見に来ている、と言っていた。気持ちはわかる。
いつも休みの日には、レシピ本を読んだりお菓子の試作をしたりして過ごしていたけれど、時にはこうして見に来たい。
そうね、今度はダリアと一緒に。