【12月6日書籍2巻発売コミカライズ決定】鬼騎士団長様がキュートな乙女系カフェに毎朝コーヒーを飲みに来ます。……平凡な私を溺愛しているからって、本気ですか?

 エルディスは、私の手を引いてどんどん進んでいく。その後ろに、反対側の手を繋いだ騎士団長様が続く。

 少しだけ警戒した様子で、騎士団長様はキョロキョロと周囲を見ている。
 けれど、妖精たちは私たちから少し離れて飛び回るばかりで、それ以上近づく様子はない。

 エルディスは、私と違って妖精と話をすることができる。おそらく、言い聞かせてくれたのだろう。

「……あの、エルディス、目的地って?」
「妖精たちが、大切に守っているところ」

 もう一度強く手を引かれれば、次の瞬間、フワリと足下が柔らかくなった気がして、足下が雲に覆われていた。

 妖精たちが、認めた人間しか入ることができない場所。つまりこの先にあるのは……。

「ここにも魔鉱石があるの?」
「そう、それも巨大な。ああ、でもその場所に行く前に、少し寄り道をしないとね」
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