【6月7日書籍発売コミカライズ決定】鬼騎士団長様がキュートな乙女系カフェに毎朝コーヒーを飲みに来ます。……平凡な私を溺愛しているからって、本気ですか?
星降る夜のカフェ
踏みしめる度に、リリーンッと涼やかな鈴の音が響き渡る。
白銀の光の中を歩いていると、まるで同じ色をした騎士団長様の魔力に包まれているようだ。
流れ星のように煌めきながら、その中を妖精が飛び回る。
「本当に綺麗」
もし、オーナーのことがなければ、こんなにロマンチックな夜を騎士団長様と過ごせることに、うっとりと幸せな気分になっただろう。
(でも、それよりもなによりも……)
ギュッと胸元の布地を握りしめた私に何を思ったのだろう。騎士団長様がそっと手を重ねた。
「心配するな。なんとかなる、そしてしてみせる」
「……アーサー様」
顔を上げると、私を安心させるように淡いグリーンの瞳が弧を描いていた。
こんなときに不謹慎だと思いながら、ドキリと心臓が音を立てる。