【12月6日書籍2巻発売コミカライズ決定】鬼騎士団長様がキュートな乙女系カフェに毎朝コーヒーを飲みに来ます。……平凡な私を溺愛しているからって、本気ですか?
遠くに輝くのは、流れ星が集まったように一際強く金色に煌めく場所。
耳元と胸元に揺れる三連の宝石の一つ、白銀に輝くそれは、確かにオーナーの魔力に違いない。
「あの場所に、オーナーがいる」
「……リティリア」
「アーサー様?」
一瞬だけ立ち止まった騎士団長様を見上げれば、眉の間にしわが寄っている。
騎士団長様は、「待っていてほしい」という言葉を呑み込んだのかもしれない。
そんなことを思いながら、再び少し冷たい手を握りしめて、私たちは歩き始めたのだった。