【12月6日書籍2巻発売コミカライズ決定】鬼騎士団長様がキュートな乙女系カフェに毎朝コーヒーを飲みに来ます。……平凡な私を溺愛しているからって、本気ですか?
「は……。決まっているだろう。シルヴァ殿を助けようとしている」
「は? どんな代償を払うことになるかわからない! ヴィランド卿は、リティリアをこれからも」
あまりにも美しく七色に輝いているカクテルグラスを星の光に掲げ、騎士団長様はひと息にそれを煽った。
「……幻覚とは思えないほど、精巧だな」
「本物だ」
「そうか、余裕があるじゃないか」
「……皮肉かな?」
「……いや。シルヴァ殿の覚悟は、理解している」
「それなら、もう……」
「だが、シルヴァ殿に、戦場で命を助けられたこと星の数ほど。まさか、見捨てるわけにもいくまい」