【12月6日書籍2巻発売コミカライズ決定】鬼騎士団長様がキュートな乙女系カフェに毎朝コーヒーを飲みに来ます。……平凡な私を溺愛しているからって、本気ですか?

「……案内してくれるの?」

 モフモフの短い手が差し伸べられる。
 しゃがんだ私が、そっとその手に触れるとクマのぬいぐるみは走り出した。

「じゃ、またあとでね?」

 扉をくぐった先は、カフェフローラのバックヤードだった。
 不安定な体勢のまま、背の低いクマのぬいぐるみに着いていく。
 そこは、茶色の来出てきたテーブルが並ぶオシャレな喫茶店だった。
 フリルいっぱいの店内は、とても可愛らしいけれど、ごく普通のカフェと言えなくもない。

「やっぱり、オーナーの魔法がなくなってしまったから」

 私がそう呟くと、クマのぬいぐるみがぶんぶんと首を振った。

「え……?」

 わらわらと私の足下に集まってきたのは、森のクマさんシリーズのクマたちだ。
 私が騎士団長様に貰ったのは、クマさんたちの中で一番人気だけれど、そのほかにもたくさんのクマがいるのだ。

「わ、わわ!!」
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