【12月6日書籍2巻発売コミカライズ決定】鬼騎士団長様がキュートな乙女系カフェに毎朝コーヒーを飲みに来ます。……平凡な私を溺愛しているからって、本気ですか?
「……リティリア」
頭にクマを乗せたまま、立ち上がった騎士団長様。私の手を離れたクマのぬいぐるみが、やはり騎士団長様に突撃していく。
クマのぬいぐるみが、騎士団長様に抱き上げられる。
いつの間にか、他のクマたちは別の場所に走り去ってしまった。
騎士団長様の頭に乗った一匹を除いて。
「ふふ!」
「なんだ。ああ、これか……」
クマのぬいぐるみは、頭から降りようとしたのだろう。
しがみついているせいで、まるで騎士団長様の頭にクマ耳が着いているように見える。
「アーサー様の頭にクマ耳が生えているみたいで可愛いです。あのときと、逆ですね」
「……そうだな。では、もう一度受け取ってくれないか」
森のクマさんぬいぐるみが、ピタリと動きを止めた。
(まるで、あのときの再現みたい……)