【12月6日書籍2巻発売コミカライズ決定】鬼騎士団長様がキュートな乙女系カフェに毎朝コーヒーを飲みに来ます。……平凡な私を溺愛しているからって、本気ですか?
「……はあ。せっかく婚約したのに、落ち着かないものだ」
「……アーサー様?」
「遅くなろうと、全力で帰るから」
「……」
「だからどうか、待っていてくれ。……俺たちの家で」
この日から、ただでさえ忙しい騎士団長様は、ますます多忙になる。けれど、朝の短い時間だけ顔を合わせていた私たちは、以前よりたくさん一緒にいられるはずだ。
そんなことを思いながら働けば、久しぶりにお会いする常連さんたちが次々に訪れる。
そして、その常連さんたちは、滅多にお目見えできない人外の美貌を持つ店員に釘付けになる。
「えっと、オーナー?」
水色の裾が膨らんだリボンいっぱいのワンピースにフリフリのエプロンを身につけた私とダリア。
対するオーナーは、お揃いでありながら、着る人によってこんなにも印象が違うのかというほど素敵すぎる、白と水色が組み合わされた三つぞろいの服だ。
「似合うかな?」
「もちろん! えっと」
「しばらく筆頭魔術師は休むからね」
「ここで働くのですか?」