【12月6日書籍2巻発売コミカライズ決定】鬼騎士団長様がキュートな乙女系カフェに毎朝コーヒーを飲みに来ます。……平凡な私を溺愛しているからって、本気ですか?
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「……手伝ってくれるの?」
うなずいて私からダスターを受け取ると、次々とテーブルを拭いて回るクマのぬいぐるみたち。
まるで、意思があるかのようだ。
一方、オーナーは意外とおっちょこちょいだった。話をよくよく聞いてみれば、今までほとんどのことに、無意識に魔法を使っていたらしい。
「きゃっ」
そして、現在。
私は頭から、アイスコーヒーを被ってしまっていた。もちろん、犯人はオーナーだ。
オーナーが、金色の瞳を見開いた。こんなに慌てた顔を見るのは初めてかもしれない。
「っ、すまない、リティリア。今すぐ綺麗に……っと、魔法が使えないんだった」
オロオロするばかりのオーナー。
タオルを持ってきてくれたのは、クマのぬいぐるみたちだ。
「大丈夫です。これくらい、着替えれば……」
でも、この衣服も魔法で作られているはず。
オーナーは、魔法が使えないはずなのにどうして今もカフェ・フローラ内は、魔法であふれているのだろうか。