【12月6日書籍2巻発売コミカライズ決定】鬼騎士団長様がキュートな乙女系カフェに毎朝コーヒーを飲みに来ます。……平凡な私を溺愛しているからって、本気ですか?
「あっ!」
ふと浮かんだのは、レトリック男爵領が、危機に陥ったとき、助けてくれた騎士様たちの姿だ。
その中にはもちろん、当時は隊長だった騎士団長様がいて、その隣にいつもいたのは……。
(そう、確かにいらしたわ。それに、騎士団長様に聞いた副団長様の特徴に一致する。赤茶色の髪に柔和な笑顔だと聞いたもの!)
けれど、お客様としていらしているのだ。
余計な詮索は、無用に違いない。
そっとメニューとお冷やを席にお届けして、注文を待つ。
そしてメニューが閉じられたのを確認して、席に近づき声をかける。
「お決まりですか?」
「恋する苺のラテと、キラキラキャラメルのクリームタルト、それから手作りクッキーを」
「かしこまりました」