【12月6日書籍2巻発売コミカライズ決定】鬼騎士団長様がキュートな乙女系カフェに毎朝コーヒーを飲みに来ます。……平凡な私を溺愛しているからって、本気ですか?

「寒い……」

 魔女様の家には、何回も訪れたけれどいつでも季節がバラバラだ。
 オーナーが以前、時間や空間が捻れていると言っていたけれど、これほどまで顕著なのも珍しい。

 庭を歩めば、一本の木が目に入る。
 その木は氷で覆われていて、厚着をして籠を抱えた魔女様が腕を伸ばしていた。

「……魔女様?」
「あら、リティリア。そろそろ来ると思っていたわ」
「えっと……。収穫ですか?」
「そう。氷結ベリーを収穫しているの」

 まさか、いつも分けていただいている氷結ベリーが魔女様の庭でなったものだなんて想像したこともなかった。
 もしかして七色サクランボも自家製だったのだろうか……。
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