【12月6日書籍2巻発売コミカライズ決定】鬼騎士団長様がキュートな乙女系カフェに毎朝コーヒーを飲みに来ます。……平凡な私を溺愛しているからって、本気ですか?
「そうね。応援が必要だけど……。ちょうど良いわね」
ガチャンと扉が開く音がして振り返ると、扉だけがある不思議な空間の先に目を見開いた騎士団長様の姿が見えた。
「あなたを迎えに来たのでしょうけど、ちょうど良いから手伝わせましょう」
「え……。あの」
「あなたの好物のためだもの。喜んで手伝うわよ。あと、少しお屋敷に持ち帰って料理長へのお土産にすると良いわ。それで労働の対価としては十分でしょう」
魔女様が手招きをすると騎士団長様はためらうことなく庭へ入ってきた。
そして私のことを無言のまま見下ろすと、少しだけ眉を寄せ、マントを脱いだ。
あっという間に、私はマントでグルグル巻きにされてしまった。