【12月6日書籍2巻発売コミカライズ決定】鬼騎士団長様がキュートな乙女系カフェに毎朝コーヒーを飲みに来ます。……平凡な私を溺愛しているからって、本気ですか?
「わ……。アーサー様、こんなにグルグル巻きにされたら氷結ベリーの収穫ができません」
「これを摘めば良いのか? リティリアが、風邪を引いたら大変だ。任せておいてくれないか」
「まあ、あいかわらず過保護だこと……。でも、代理での対価の支払いを認めるわ」
「感謝いたします」
背の高い騎士団長様は、あっという間に高いところの果実まで収穫して籠に詰めていく。
お仕事をして帰りに迎えに来てくださったのに、さらに働かせてしまい申し訳なくなる。
「あの……」
「家に帰ったら、料理長に何かデザートを作ってもらおうか」
「っ……!!」
まだ見ぬ美しいデザートに思いを馳せた私は、キラキラした瞳で騎士団長様が持つ籠を見つめてしまったのだった。