【12月6日書籍2巻発売コミカライズ決定】鬼騎士団長様がキュートな乙女系カフェに毎朝コーヒーを飲みに来ます。……平凡な私を溺愛しているからって、本気ですか?

 美しい青色の宝石みたいな果実。
 それを見つめるのは、ヴィランド伯爵家の料理長と私だ。
 少し離れた場所で、シャツとトラウザーズというくつろいだ姿になった騎士団長様は、何か考え事をしているようだ。

(やっぱり、先ほど魔女様に何か言われたせいなのかな……?)

 けれど次の瞬間には、目は料理長の手元に集中してしまう。

「蜂蜜に漬けるのですか?」
「酸っぱいですからね」
「氷結ベリーは、酸味が強いからジャムかコンポートにするしか浮かびませんでした」
「もちろん、コンポートも作りますよ?」

 しばらくつけておけば、青い色合いの蜂蜜漬けと、赤紫色のコンポートと、真っ赤なジャムが完成した。
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