【12月6日書籍2巻発売コミカライズ決定】鬼騎士団長様がキュートな乙女系カフェに毎朝コーヒーを飲みに来ます。……平凡な私を溺愛しているからって、本気ですか?
そのまま、抱きしめられた。
騎士団長様からは、いつでも穏やかなハーブみたいな香りがする。
それは、優しくて頼りになる、大人の男性の香りだ。
「良い香り……」
「……リティリアこそ、甘いお菓子のような良い香りがするが」
そのまま、私のフワフワした淡い茶色の毛先をつまみ、唇の先にあてて上目遣いにこちらを見つめて、幸せそうに笑った騎士団長様。
「うん、思った通り甘いな?」
「ひえぇ……」
クルクルと指先に私の毛先を巻き付けて弄びながら、それを見つめるまつげの長さと、格好良さと、なにかに興味を示してしまった子どもっぽい可愛らしさ、すべてが私の心臓を撃ち抜いてしまう。