【12月6日書籍2巻発売コミカライズ決定】鬼騎士団長様がキュートな乙女系カフェに毎朝コーヒーを飲みに来ます。……平凡な私を溺愛しているからって、本気ですか?
「オーナー! お久しぶりですね? こんな早い時間に、お店にいらっしゃるなんて珍しいじゃないですか。……それに、その格好。お仕事の最中だったのですか?」
「……ああ。最近起こった出来事について、耳にすれば、飛んでくるに決まっている」
「……なにかありましたか?」
「……本気か? すべて、リティリア、君に関することだと認識しているが」

 ここ最近の出来事を、思い起こしてみる。
 思い浮かぶのは、早朝の常連、騎士団長様の笑顔だ。
 こんな時まで、浮かんでしまうなんて、どうしてしまったのだろうと首をかしげる。

 あら……? 魔女様、銀の薔薇、元婚約者。すべてに騎士団長様が関係している?

 そうね。少なくとも、オーナーの古くからの知り合いである、魔女様の下に騎士団長様を巻き込んでお連れしてしまったことは、すぐに報告すべきだったわ……。

「魔女様の下に、騎士団長様を巻き込んで、お連れしてしまいました」
「うん……。初耳だ。それはそれで、ここに急いできた問題に匹敵するな」

 あら? そのことが、耳に入ったから、駆けつけてきたのではなかったのかしら?
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