【6月7日書籍発売コミカライズ決定】鬼騎士団長様がキュートな乙女系カフェに毎朝コーヒーを飲みに来ます。……平凡な私を溺愛しているからって、本気ですか?
「――――好きだと言ったら、信じてもらえるのだろうか」
「…………はい?」
「ここまで通じないとは。そこまで、眼中にないのかと、心が折れそうなのだが」
……ある日、強面の鬼騎士団長と呼ばれるお方が、私の働く乙女系カフェにコーヒーを飲みに来た。
初めて騎士団長様が、お店を訪れた、あの日から数ヶ月が過ぎた。
騎士団長様は、ほとんど毎日、コーヒーだけ飲んで、私に笑いかけて、そして帰って行った。
「まさか、私に会いにお店に来ていた、なんてこと……」
そうだったらいいな、という私の希望的観測で、妄想で、ただの夢だったはずだ。
「……今さらか」
「え? 私に会いに来ていたって、本気ですか?」
「……ほかに理由があるとでも?」