【12月6日書籍2巻発売コミカライズ決定】鬼騎士団長様がキュートな乙女系カフェに毎朝コーヒーを飲みに来ます。……平凡な私を溺愛しているからって、本気ですか?
本日のコーヒーは、ナッツやチョコレートのような香りと香ばしさ。
店内に溢れる森林の香りともマッチしている。
「お待たせしました」
「ああ」
今日も腕を組んでうつむいていた騎士団長様が、顔を上げる。
「ごゆっくり」
「ありがとう」
短い会話と、騎士団長様の微笑み。
つられて私も笑顔を返すと、なぜか騎士団長様は真顔になって私を見つめる。
えっ、何か変な顔していたかしら?
慌ててバックヤードに入り、ペタペタと顔を触る。たぶんおかしなところは、なかったはず。
そうこうしているうちに、あっという間にコーヒーを飲んだ騎士団長様は、立ち上がり、お会計を済ませると去って行った。
さすがに、もういらっしゃらないよね……。
けれど、次の日も騎士団長様は、開店とほぼ同時にお店に来たのだった。