【12月6日書籍2巻発売コミカライズ決定】鬼騎士団長様がキュートな乙女系カフェに毎朝コーヒーを飲みに来ます。……平凡な私を溺愛しているからって、本気ですか?
「ああ、ずっとここにいてくれ」
「………え?」
「うしろで小躍りしている料理長は、君のために毎日作るだろう」
「っ……!?」
しまった、このデザートを作ったのは、ヴィランド伯爵家の料理長だったのだわ!
まるで、催促したみたいになってしまったわよね。
「……あの、今の言葉、なかったことに」
「いいや。……料理長、そんなところからのぞいていないで、リティリア嬢に挨拶するといい」
私に挨拶をするために出てきてくださった料理長に、挨拶を返す。
聞くなら今だわ!
「……あの、この氷に使われているベリーは、何という種類でしょうか?」
「お目が高い!! それはですね……」
そこからつい、使われているベリーの種類や、宝石みたいな氷の作り方など、気になることを質問してしまった。
それを皮切りに、料理長と意気投合してしまった私は、騎士団長様を置き去りに料理談義に長時間花を咲かせてしまったのだった。