【6月7日書籍発売コミカライズ決定】鬼騎士団長様がキュートな乙女系カフェに毎朝コーヒーを飲みに来ます。……平凡な私を溺愛しているからって、本気ですか?
領地と秘密の瞳
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それから、なぜか騎士団長様のお屋敷からカフェフローラに通う日々が始まった。
騎士団長様は、少し遅れてお店に入って、コーヒーを飲んでお仕事に出かける。
もちろん、夜警もあるから帰ってこられない日もある。
そんな日も、会えないことはない。
この場所に、騎士団長様は必ず現れる。
「律儀ですね……」
「何がだ?」
「毎朝、コーヒーとサンドイッチを召し上がりにいらっしゃることです」
「……ん?」
不思議そうに、騎士団長様は首をかしげた。
私は、何かおかしなことを言ったかしらと、一緒になって首をかしげる。
「リティリア嬢、君に会うためだという発想はないのだろうか」
「え、毎日のようにお会いしているではないですか」
「――――それでも、ここで働いている君を見るのが好きなんだ」
今日のテーマは、どこまでも続く草原と、ミツバチに蝶。
私の衣装は、小さな羽がついた黄色と黒をベースにしたミツバチ。
チョウチョも選べたけれど、少々フリルとビジューが多くて、平凡な私には着こなせそうもなかった。