俺と、悪いことしちゃおっか?
そして、やって来た昼休み。
あと15分ほどで、昼休みが終わる頃。
重たい腰を上げ、昨日先輩に言われた通りに保健室へとやって来た私は、窓際のベッドのカーテンを開ける。
──シャッ。
あ、本当にいた。須藤先輩。
スースーと規則正しい寝息を立てて、気持ち良さそうに眠っていらっしゃる。
うん。昨日も思ったけど、寝顔が本当にきれい。ずっと眺めていたくなるくらいに。
「…………」
せっかく来たけど、このまま先輩に声をかけずに帰ろうか?
そんなことが一瞬、頭の中を過ぎった。
だって別に私でなくても、他に先輩のことを起こしてくれる女の子なんて沢山いるだろうし。
この役目は私よりも、先輩のファンの梨沙子のほうが適任だろうに。
……って、ダメだ。約束しちゃったんだもん。
せめて今日だけでも、人としてきちんと約束は果たすべきだ。でないと、あとが怖い。
昨日脅されたことを思い出し、私はひとり身震いする。
よーし。
「須藤先輩! 起きてくださーい」