俺と、悪いことしちゃおっか?
ちょっ、先輩の顔が間近に……!
「言っておくけど。俺はいつも、本当のことしか言わない。咲奈ちゃんは、可愛いよ。だからもっと、自分に自信持って?」
先輩が真っ直ぐ、私を見てくる。
「そもそも俺がこんなに何度も『可愛い』って言うのは、咲奈ちゃんだけだから。このまま何もせずにずーっと、キミを見ていたいくらいだよ」
先輩が、慈しむように私の頬を撫でる。
うっ。そんなにじっと見つめられると、恥ずかしい。
私は思わず、目を逸らした。
「あっ。咲奈ちゃん、顔真っ赤ー! もしかして照れてる?」
「もう! 先輩のせいですよ。そんなにじっと見ないでください」
「えーっ。良いじゃん。咲奈ちゃんってほんと、照れ屋なんだね」
須藤先輩の真っ直ぐな瞳が、とても嘘を言っているようには見えなかった。
「そんな可愛い咲奈ちゃんに、俺からプレゼント」